ダメな”システム屋”にだまされるな!

という30年近くシステム屋さんを勤めるエンジニアが書いた一冊。思わずはっと感じることが多かったので読んだ感想を書いてみる。
http://price.zaiteku.jp/products/detail/4822230341
1.ハードの値段が下がってもソフトの値段が下がらない理由
ハードは性能が良くなるのに値段が下がる一方で、ソフトウエアはそうならない理由は、パッケージを適用する風潮があるものの依然として業務フローをパッケージに合わせず、業務フローに合わせてソフトウエアを開発することにある。これはユーザーがそうしたいからではなく、パッケージを作るリスクを避けるベンダーが受託開発をし続けたい思惑が強い。
2.なぜITを導入するのか?
経営の意志決定を早くしたり業務効率を改善するためのIT導入するはずにもかかわらず、なぜか導入することが目的になっている。これもベンダーの提案力が弱いせいか、はたまたシステムの稼動がスタートであるユーザーに対して稼動がゴールであるベンダーとの思惑の違いなのか??
3.多忙と徹夜を「喜ぶ」最悪の”システム屋”
どんな仕事も計画的であれば多忙と徹夜は最小限に押さえられるはずだが、受託業務の仕事なので受注の波を平準化することは難しくそううまくはいかない。ただ、徹夜でことを成し遂げることがすごいと思われると勝手に考えてしまう被害者妄想は捨てるべきだ。
4.「コンサルタントになりたい」という逃避願望
僕もいまの会社に入るときに将来何になりたいかという質問に対して答えた一言。いまの仕事の単価が低いからより儲けるためにコンサルタントになりたいとか、プログラムを組む製造現場に飽きたからとコンサルタントという名前を言葉にしてはいけない。
単価が低いならば作業効率をあげる工夫をせよ、プログラムを飽きるというのはその仕事のやり方に工夫がないからである。違う道に進もうとしてはいけない。
5.「1人月150万円」が「年収1800万円」ではない理由
6.派遣契約と請負契約について

請負契約は派遣契約に比べて責任が大きいため会社で背負うリスクも大きいのである。従って会社は利益を沢山得るようになっている。
というのは建前であって請負契約のリスクも個人が背負っているわけにもかかわらず、給料だけが低い。個人に責任がかかるようであれば、いっそのこと派遣契約で仕事を会社は得るようにするか、利益を社員にフィードバックして労使ともに円満でなければならない。
7.「ネットだから低コスト・低品質」で良いのか?
前の会社では仕事と趣味の境界線が曖昧であったと言えると思う。仕事には責任が伴うはずだがネットでのシステム開発は専ら品質向上の取組が少ないように今の会社に入って思う。ただ最近はそうではないのかもしれない。。。
8.このままでは”システム屋”の給料は下がり続ける
9.”35歳定年説”は、勉強で乗り越えられる

自分は付加価値をあげるための勉強をたえずし続けられているかかなり怪しい。前の会社にいた同僚はいまでも高いモチベーションで挑戦し続けている。自分も見習わなければ他の技術者となんら代わり映えがなくなり、結果的には安い給与の新入社員(マクロにいえば人件費の安い外国のエンジニア)にとって代わられる。
最後に・・・
システムエンジニアは技術者としてのプロフェッショナルである必要があると同時にそもそもサービス業としてシステムを売っている側面があることを忘れてはいけない。
サービス業だからこそ客への配慮を欠かさないようにしなければならない。つまり、システムが分からないからと客をばかにしたり、傲慢であってはいけない。また、最終的な解を自分の中に持っていたとしても課題に対する提案については選択肢を与える努力を怠ってはいけない。(システム化は手段であって目的ではないため、システム化提案の中のひとつには、あえてシステム化しないという提案も時には必要である。)
来年同じ文章を見返して、どこまで自分の中で努力できているかを振り返ることとしたい。

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