WebサービスとSLA

・宅配物を紛失した時には損害賠償が上限があるものの決められている。
・購入した電化製品が1年以内に故障したら無償修理する。
このような品質保証をネットワーク業界ではSLA(Service Level Agreement:サービスレベル保証)と呼んでいるが、Webサービスを見てみると、免責条項はあるもののSLAに該当するような品質保証をしているケースはほとんど見受けられない。
Webサービスを行っている会社がSLAを締結できない理由は、
・Webサービスの多くは無償で提供されている
(今回の話題では、有償サービスを前提としているので、これは除いて考える)
・サービス提供元の会社の資本力が小さくて金銭的な補償を含めた保証ができない
・Webサービスの不具合はすぐに改善することができる(なので不完全なアプリケーションが出やすい)
・何かといえばβ版という言葉が流行している
・品質管理の認識が他業種に比べて低い
からだろうと思う。
SLAを締結することは、サービスを明確にすることになるわけなのだが、締結する会社はかなり厳しい条件になることは承知の上で締結することでそれをアピールポイント(差別化)に変えることができる。提供する価格が多少高くなろうとも、顧客の安心感を買うことができるので、結果的に顧客はおのずと集まる。
と考える。ハードウエアにおいては、稼働率の考え方が定着しているもののWebアプリケーションを含んだ全体的な稼働率という部分での定着はまだまだ薄いような気もする。
稼働率が出せなければ、1日間あたり何秒間システムが完全に稼動しなければ補償しますとか、レスポンスタイム何秒を超過したら補償します(これはネットワークという性質上難しいが・・・)といったようなことができないわけで、ここから始めることがSLA締結への取り組みの第一歩なのだろうと思う。
SLAが締結できないような会社は、おのずと仕事がなくなるといった感じの流れができてくるようであれば、Webアプリケーションもよりよい品質を保つことができるようになるのかもしれない。
とはいうものの、自分が開発を担当しているコンテンツでSLAを提供するなんて話になれば、間違いなく難しいか、会社がつぶれてしまう。
理想と現実はつねに乖離しているものなのですね。

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