技術の安売りをすること勿れ

インフラ系を中心に価格破壊が起きて久しいが、その結果多くのユーザーは安くなったことのありがたさは忘れ、いつもと同じように当たり前のように使い続けている。
ネットワークインフラにおいては、ブロードバンド化によって提供コストは確実に安くなっている一方で、運用ならびに保守にかかるコストはさほど低くすることは出来ていない。
不幸なことに、動画配信やIP電話の普及に伴い、ますますバックボーンは増強せざるを得ない状況になっている。おそらくコスト削減は行き着くところまで行き着いたようにも思える。
ネットワークインフラ保守のコストは以前から、(ほとんど誰も意識していないが)利用者全員がコストを負担しあうことによって成り立ってきた。しかしながら、一部では、大容量のコンテンツを配信しているようなコンテンツプロバイダーも目立つようになってきた。
プロバイダーは利用者から回線増強にかかるお金を取ることは難しくなってきているので、コンテンツプロバイダーからお金を請求せざるを得なくなっているが、コンテンツプロバイダーはそれに対して応じようという気配は見られない。
こうなってくるとプロバイダーは淘汰されるしかなくなってくる。以前から資金力が無いプロバイダーは次々と吸収されてきたが、それが今後はもっと加速化されるだろう。
エンドユーザーのためにと始まった価格破壊は、最終的に特定プロバイダーの寡占状態に陥って、不幸が始まるかもしれない。
安売りすることによって他に収益源が確保できる見通しがあれば問題ないが、ただ価格破壊をすることは誰にでも出来る。
技術の安売りをするときにはよくよく考えたほうが良いかもしれない。

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